釣り場崩壊について ~~本章~~
前回の続きです。
前回をご覧いただいていない方は<コチラ>からご覧ください。
それではとある架空の釣り場をサンプルとして崩壊の様子をお届けしたいと思います。
(今回も画像は全てフリー素材です)
はじめに
さて、釣り場はどうなれば汚れるでしょうか?当たり前のことですが
キレイにする人+雨風による汚れの薄まり >= 汚す人
だと現状が保たれます。
キレイにする人+雨風による汚れの薄まり < 汚す人
になると釣り場は汚れていきます。
〇キレイにする人
・他人のゴミを拾う人。他人の汚しを掃除する人
・地域ボランティア(釣り人のゴミを掃除してくれる人、申し訳ない・・)
×汚す人
・ゴミを残す人
△影響ない人
・自分のゴミを自分で片付ける人
です。ゴミを残さない事は素晴らしい事です。
ですが、釣り場から見るとプラス要因ではなく、プラマイゼロ要因なのです。
初期状態
関東のX県にある某釣り場、大規模ではありませんが地元の釣り好きが集まる
場所として愛されている場所です。
釣り施設ではなくあくまで「釣りが許されている場所」。
港湾局が管理している釣り場です。遠投は許されていませんが、訪れる人は
サビキをしたり、チョイ投げやルアーなど思い思いの釣り方で楽しんでいます。
(一応、遠投禁止のルールはあります)
釣り人構成:
王様老害 6
自治者 5
ヒトモドキ 5
サイレント 25
ようつべ 0
はじめて 5
老害やヒトモドキが汚します。
はじめては水汲みバケツやブラシを持って来る意識がないので汚れを残します。
ただ、自治者やボランティアの方の掃除により釣り場は平穏に保たれています。
サイレントはうっかりゴミを残す事もありますが、ラインのゴミを拾ったりすることも
あるので大局から見るとプラマイゼロ要因です。
ステージ1
とある場所晒し系YouTuberがこの釣り場の動画を作成しました。
アクセス方法やその時の仕掛け、釣果などを動画で配信します。
「サビキでアジサバ釣ったぜ!放置胴突きでセイゴも釣ったぜ!
美味しく食べたぜ!」
その動画を観た人が釣り場を訪れます。動画閲覧者の割合からすると一桁%です。
ただ大きくない釣り場にとっては10数名の人が増える事で若干の変化が起きます。
釣り人構成:
王様老害 6→6
自治者 5→5
ヒトモドキ 5→10
サイレント 25→20
ようつべ 0→20
はじめて 5→5
ヒトモドキも動画を観るので訪れます。ようつべも訪れます。
ようつべは周りの人の様子にあわせて釣りをするので現時点では、
はじめてと同じレベルの間違いをするぐらいです。
サイレントは「なんか人増えてやりづらくなったな」と多少離れます。
汚す要因は増えましたが自治者や地域ボランティアが掃除してくれるため
現状は維持されます。
ステージ2
場所晒し系YouTuber達は他者の動画追随するので他の晒し動画が出てきます。
そちらの視聴者も訪れます。穏やかだった釣り場は土日混雑するようになってきました。
ヒトモドキも増えますのでコマセ汚れなどが残るようになります。
一部のようつべやはじめても「もともとの汚れもあるし全てをキレイに洗い流さなくて良いかな」と考えるものも現れ、手すりに汚れ残しが散見されるようになります。
ヒトモドキの真似をして遠投する人も出てきました。
そして、誰かがゴミを置いた場所がさも公認のゴミ捨て場であるかのように
ゴミを置く人が増えて来ます。
地域ボランティアの方が目立つゴミに対して港湾局に苦情を入れるようになります。
釣り人構成:
王様老害 6→6
自治者 5→3
ヒトモドキ 10→15
サイレント 20→10
ようつべ 20→40
はじめて 5→5
王様老害は減りません。自治者の一部で「なんか変わった・・」と感じ、
この釣り場から離れる人がでてきます。
サイレントは「ここやりづらくなったー」と急速に離れます。
ようつべの中に老害やヒトモドキの釣法を見て「あ、あれOKなんだ」と真似する人が出始めます。
誰かがゴミを捨てた場所はまるで公認のゴミ捨て場のように山となったゴミが積もれた状態となります。
今回のケースには含みませんがYouTuberの動画には下記のような弊害が起きる事も
あります。
「厳密に言うと禁止だったが地域の迷惑になってないので黙認されていた釣法」
「原則は関係者意外立ち入り禁止だが地域の釣り人が入る事に文句は言わず釣りが黙認されていた場所」
こういった場所・釣法が動画に公開され、他地域の人が訪れて黙認釣法をやりだす事で
管理側としては「もともとそれは禁止です」と公表し、違反者の監視をする必要が出てくるのです。
「いや、それもともと禁止」と言われると理論上は確かにそうなのですが、
10年以上前から利用していた人からすると「余計な事しやがって・・・」という心境に
なるケースも多いです。
※潰されたケースとしては三〇浜とかデ〇〇ニー裏とか。
ステージ3
コマセ汚れやゴミ放置が目立つようになりました。生活道路への路駐も増えて
近隣住民からもクレームが出始めます。
みかねた港湾局が貼り紙をつけます。釣法の制限も多くなります。
ただ王様老害は俺ルールなので守りませんし、ヒトモドキは内容を理解できません。
ようつべはルール変更が反映されていない動画を観て来ますので新ルールを守りません。
人が増え、お互いの距離間も縮まってくるので嫌気がさす常連も増えてきます。他のグループからヒトモドキにジョブチェンジする人も増えてきます。
釣り人構成:
王様老害 6→6
自治者 3→2
ヒトモドキ 15→25
サイレント 10→5
ようつべ 40→50
はじめて 5→5
ヒトモドキやようつべは増加する一方です。サイレントはもう神経が図太い人しか
残ってません。
そして釣り場の人口キャパも超えているので釣果も期待できませんし、
環境面でも悪化の歯止めがない状況です。
ステージ4
かつての釣り場はなくなりました。
コマセの悪臭、うずたかく積もれたゴミ。
放置された釣り具。
トラブルも日常茶飯事です。
放置針による野生動物やペットのケガ、後ろをみずにふりかぶり散歩者とのトラブル。
港湾局へのクレームも増加の一方です。
路駐でバスの運行にも支障が出始めました。
地域の人からすると釣り人=悪です。
小さな事でもクレームにつながるようになります。
釣り人構成:
王様老害 6→6
自治者 2→0
ヒトモドキ 25→40
サイレント 5→3
ようつべ 50→60
はじめて 5→5
ついに釣り場の良心ともいうべき自治者がいなくなりました。
各グループからヒトモドキへのジョブチェンジも多数見られます。
そして・・・・・
港湾局もついに決断します。
釣り禁止
・・・
この話は架空の話です。
ただ、ここ1年の間に釣り禁止の場所が急速に増えている事は事実です。
釣り禁止となった場所、それぞれ事情がありますが経緯を紐解いていくと
何かしらの発見があるかもしれませんね。
コロナ前後で人の意識は急速に変わりました。
去年の秋に電車でマスクをしないのは当たり前でしたが、
現在はマスクをせず乗車するとかなりの人が不快に思います。
釣り場を晒す行為は昔からありましたが、昨今、釣り場が次々と無くなり、
色々な釣り場で人が増え、環境の変化が起きています。
そして以前は釣り禁止にすることには管理側が色々と踏み切らずにいてくれた状況でしたが、現在は釣り禁止決断へのハードルがかなり下がっています。
時代は変化しています。
釣り場晒し・・・自己の承認欲求や広告収入のために安易に行ってよいのか、
考えなおす時期が来ているのかもしれませんね。
※書ききれなかったものは追加で挙げるかもしれないです(挙げないかもしれないです)
追記:
次章はコチラです↓
釣り場崩壊について ~~おまけの章~~ - 東京横浜でライトな釣り